おしゃれとは、『比』である。
これは実践的な定義です。
ある日突然、神の啓示を受けたかのように頭の中に電撃が走りました。
その電撃は体を駆け巡り、全てをひとつに繋げたのです。
まさにONE PIECE。
『比』はおしゃれの悩みを0にする可能性を秘めています。
センスを言語化したら『比』に行き着くと思っています。
そのくらいヤバい本質です。
最初に言ったように、概念の本質じゃありません。
おしゃれとは~から始まって難しい言葉が行列を作る定義じゃありません。
実践的な、リアルな定義です。
だから、ツール。
武器。
私が提供するなかで最も本質的で、実践的で、重要なコンセプトです。
おしゃれ=印象
「印象を判断するのにかかる時間はわずか数秒。」
この使い古された言葉。
あなたもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか??
刹那とも思えるそんなわずかな時間で、
「シャツのボタンは牛のボタンを使っていて~」
「着丈は68㎝くらいかな?」
のように細かいところまで見れますか??
見れないですよね??
脳はそんな暇じゃありません。
そんな細かいことに割く余裕なんてありません。
脳には絶え間なく仕事がなだれ込んできます。
しかし・・・。
脳の情報処理は有限です。
限界があります。
無限に計算できるわけじゃありません。
エネルギーを使うし、そのエネルギーは食べ物から得なくちゃいけないし、睡眠で脳を休ませなくてはいけません。
だから脳は効率的に物事を処理しようとします。
いちいち丁寧に処理していたら、オーバーヒートして故障してしまいます。
一分一秒が命取りの朝の出勤するまでの時間。
そんな嵐のような時間感覚の中でおばあちゃんのようにゆーっくり動いてたら明らかに遅刻するのは目に見えています。
だから脳は素早く効率的に判断します。
そのようにあなたはすれ違う人を一瞬で評価するのです。
だから印象はわりとテキトーです。
間違いも結構あります。
絶対値で決まる世界じゃありません。
相対値で決まる世界です。
ここで『相対値』と聞いてピン!と来たなら、あなたはキレ者です。
なぜなら。
相対的ということは、単体じゃ決まらないということ。
少なくとももう一つ無いと相対化は出来ないからです。
つまり、『比』です。
黒いお皿に乗っただし巻き卵の黄色味がより強くなるように、
印象は比較の中で常に揺れ動くものだということです。
これに照らし合わせてみれば、
着丈をミリ単位で整えるのは、あまり良いとは言えません。
絶対値にあまり意味は無いからです。
「ボトムのバランスを考えて」と注釈を添えるのであれば、意味を持つでしょうが。
「比較してどう見えるか」が重要なのです。
印象は割とテキトーだから。
私が上下のバランスについてしつこく言うのは、相対化の重要性を深く理解しているからです。
脚の長さも『比』で見え方は変わります。
股下比率についてもブログで言いました。
トップスの身幅が太ければ、同じ着丈でも短く見える。
長くなるので割愛しますが、まだまだありますよ。
書ききれないくらい。
比を考えられれば見方が変わります。
そして、今あなたが思っている以上に奥深い世界ですよ。これは。
「バランスを”取る”」ではなく「バランスを”考える”」
あくまで
「バランスを”考える”」
であり、
「バランスを”取る”」
ことではありません。
あなたからしたら、「え?何が違うの??」って感じでしょうが、私はこの2つを明確に区別します。
なぜなら、「バランスを”取る”」には、
『無難』『中和』『中間』みたいなニュアンスが付きまとうからです。
それは本質じゃありません。
おしゃれはあえてバランスを崩すことも平気でやるし、『無難』『中間』がおしゃれの全てをカバーするわけじゃないですからね。
『比』とはバランスを考えるためのツールなのです。
だから『比』は実践的な本質だと言ったのです。
比較して印象を考える。
たったそれだけのことです。
あなたも無意識にこれまでやっていたかもしれません。
いや、きっとやっています。
おしゃれに興味があり、着こなしを考えた経験があるならば少なからずやっているでしょう。
こうを聞くと、そんなに大した事実に思えないかもしれません。
「なんだ!俺やったことあるんかい!」と。
でも・・・。
意識してやることと、無意識にやること。
これは全くの別物です。
人は、言葉で考える生き物です。
言葉が考えるための輪郭を与えます。
輪郭が無ければ、何となく思うだけです。
何となく思うだけでは、その形のない考えは霧のように霧散し消えてしまうのです。
これを本気で受け取れないと、『比』というコンセプトがパァになります。
それでもまだあなたは「そんなに重要なのかなぁ」と半信半疑でしょう。
本質はシンプルです。
だから多くの人は気づかずスルーしてしまうのです。
私はこの文章をカタカタ綴っている今でも、「この事実本当はみんな知ってるんじゃね?俺がバカすぎて気づかなかっただけじゃね?俺だけドッキリかけられてんじゃね?」って心のどこかで思ってしまうくらいシンプルなんです。
そして『シンプル』と『簡単』はイコールで結ばれません。
シンプルゆえに奥が深いものです。
『比』を本当の意味で理解出来たとき、あなたは魔術師になっているはずです。
おしゃれはたくさんの『要素』の集合体
社会はたくさんの人が集まって出来ています。
それと同じように、おしゃれもたくさんの要素が集まって出来ています。
色、形、イメージ、アイテム・・・・などなど。
しかも、野菜を輪切りするようにさらに細かく、要素を分けることも出来ます。
こう聞くと、「うっ・・・。」と後ずさりしそうになる気持ちは分かります。
なんか難しそうだと。
でも、だからこそ面白いんですよ。
サッカーを始めて2ヶ月でメッシになれるわけないですからね。
今日あなたは初めておしゃれゲームのルールを知ったのです。
おしゃれというゲームの奥を深くしてるのは、この『要素』がたくさんあるからです。
そしてこの『要素』たちのバランスを考えなければならないからです。
どっかの本で
”おしゃれは大人の知的遊戯だ”
って書いてありましたが、まさにその通りです。
私にとっては面白くて刺激的な組み合わせパズルです。
あなたにとってもそうであるといいんですが。
ゲームのルールを知ると、俄然面白くなってきます。
ルールを知らないのに面白いのは、「よくわかんないけど出来る!」ヤツだけです。
でも、それがおしゃれのスタンダードでした。
当たり前だった。
でもあなたのおしゃれゲームは今日変わりました。
ルールを知ったからです。
ほとんどの人がこの裏ルールとも言えるおしゃれの秘密を知らずに一生を終えますから。
おしゃれとは、たくさんの要素の集合体で、その要素のバランスを考えること。
そしていかに自分をかっこよくできるかを目指すゲームです。
センスがある人は感覚的にバランスを最適化出来る
おしゃれにおけるセンスの正体はこれです。
またヤバいことをサラッと暴露してしまいました。
「色の組み合わせはどうだ?」とか、
「トップスとボトムのシルエットのバランスはこうしよう」とか、
「自分にはこのアイテムが相性いいな」
っていうのが何となく分かってしまうんです。
センスのある人たちは。
自分の体型に合わせて、電圧を変換するように服を自在に組み合わせて着こなす。
たくさんの要素のバランスを考えて、自分に変換し、印象へと昇華する。
これが出来てしまう。
あらかじめそういう才能が有って、スライム倒してたら出来るようになった。
そういう人たちって、目の付け所が良いというか、「こうしたら自分に合う」っていのが感覚的に察知できるんですよね。
でも自分オンリーの話なので再現性はありません。
言語化ももちろんできない。
だから、センスは長い間ブラックボックスでした。
でもタネ明かししてしまえば、バランス感覚が優れているということです。
それは時にかなり繊細さを求められるから、言葉で説明しきるのは野暮だし若干無理ゲー。
私もそれを理解しているから、最終的には感覚で組めるようになった方が良いと言っています。
言葉はある種拘束具だから。
言葉にした途端、少なからず滑らかさを失うものです。
誤解のない言葉を選ぶほど直線に。
誤解を生むような曖昧な言葉を選べば、ぼやけた曲線に。
それでも何十年にわたって訓練された熟練の職人芸をすぐに手にすることは出来ません。
ロボットが熟練の職人の繊細な手先の代わりをこなせないように、言葉は感覚の代わりになりません。
感覚と言葉には、溝がある。
どれだけくっつけようとしても、どうしても隙間は出来てしまう。
ただ。
その距離は縮めることは出来たと思っています。
熟練の職人さんになる時間を大幅に削ったと自負しています。
そもそも熟練の職人さんにならないなら、さらにもっと早いです。
私のやっていることは『バランスの考え方』を教えることですから。
あなたはこれからどうする?
あなたは知ってしまいました。
おしゃれの秘密を。
おしゃれの本質を。
ワンピースでは、『ONE PIECE』はゴールですね。
『比』も確かにゴールではあります。
しかし、同時にスタートなのです。
宝箱を開けた中にあったのは、全てをつなげるONE PIECEですが、Lv.1の秘剣でもあります。
ルフィが宝箱を開けるとき(宝箱じゃないかもしれないけどw)、おそらく強敵は残らず倒し切っているでしょう。もう戦う敵はいなくなってるはず。
でも、あなたは今開けてしまった。
もう中身を見てしまった。
その秘(比)剣をあなたはどうしますか??
鍛えますか??
それとも家に飾っておきますか??
あなたが今まで使っていたのは、すぐに成長が止まる剣です。
王様が最初に与えて下さるありがたい剣ですが、あなたのLvが上がると剣があなたの成長に追いつかなくなります。
でも秘剣は違います。
あなたの成長に合わせて、レベルアップするのです。
ず~~~~~っと使えます。
頼もしい相棒です。
私が出来るのは剣を与えるところまで。
使うかどうか最終的に決めるのはあなたです。