私はよく、「パッと見で勝負が決まります」と言っています。
数秒、いやそれよりも短い時間であなたの印象は決まっているかもしれません。そのくらいの刹那の時間であなたは判断されることになります。
シルエットを丁寧に整えても、あなたがどのように整えたのかまでは伝わらないでしょう。具体的にあなたがどうやって整えたかまでは分からないものです。
それでもあなたは細かいところまで整えるべきです。
「伝わらないのに細かいところまで整えるなんて無駄じゃん。」とあなたは思っているかもしれません。
だから、これから『なぜ一瞬にして良し悪しが判断されるのか?』という部分と『細かいところまで整える理由』をお伝えします。
人は何を見てどう判断しているのか?
あなたは実生活で体感することになるでしょう。
それを体感するたびにあなたの体に電気が走り、自分の着こなしをどうすればいいか、だんだんと理解していくはずです。
なぜ勝負は一瞬にして決するのか?
気になる女の子との初デートの日。
雪ちゃんと呼びましょう。
待ち合わせ場所のハチ公前で待っていると、向こうからその雪ちゃんの姿が。
「お待たせ~。」と手を振りながら近づいてきてあなたを視界にしっかり入れます。
ストップウォッチ、スタート!ストップ!
あなたの印象が決定します。
写真で眺めるのではなく、実際に現実世界で『生で』会う”あなた”という存在は情報量がとても多いです。私たちは生まれたときからずっとこの世界で暮らしているので、それが当たり前となっていますが、とても多くの情報が飛び交っています。
まさか「アニメの世界に行ったことがあります!」なんて人はいないですよね。
(行ったことがある人はこっそり私にも行き方を教えて下さい)
VRも最近盛り上がっていますが、現実との区別はまだつきますよね。
そのくらい私たちは普段の生活で、情報を取り込んでいるのです。
肌のきめ細かさ、
髪の一本一本まで、
顔の表情、
手足の挙動、
・・・などなど。
どれも創作で表現するのは限界があります。
私たちのクリエイトする力では、今のところ現実世界同等の情報量をゲームやアニメに付加することは出来ていません。
それほどまでに精密に作られた世界で私たちは過ごしています。そんな情報量が多い中で、脳は処理をしなければいけないのです。
大変です。
毎日毎日休むことなく働く脳に休息の二文字はありません。
こんな半端ない仕事量を課せられた脳は何を思うでしょうか??
「おいふざけんなよ!こんな仕事量処理できるわけねぇじゃん!!無理無理。・・・・・。あ!楽しちゃおうっと!」
みたいに考えるのです。
脳を責めないでください。
あなたをパンクさせないように効率的に判断しようとした結果なのです。
というか、出来るヤツです。
だから、雪ちゃんは、あなたを見たときに細部まで詳細に分析してたら大変だという脳の英断(?)により、あなたから感じ取れる”印象”で判断します。
いちいち詳細に分析していたら疲れちゃいますから。
また、
あなたと雪ちゃんの距離が近いと、全体を俯瞰できなくなります。服のディテールや色、素材に意識が向かってしまうのです。細かい部分に気を取られるのです。地図の拡大みたいな感じで。
雪ちゃんからして見たら、本当にきれいに整っているかどうかは分かりません。
(遠くから、洋服が整っているかを念頭に置いて凝視すれば分かりますけど。)
だって、全体を俯瞰できないんですから。
だから、ざっくりとした感じで雪ちゃんに伝わります。
『なんとなくの雰囲気』という曖昧なものとしてあなたは判断されるのです。
これは、論理的に脳が判断するんじゃないです。
もう直感です。
もちろん判断材料はあります。
それを総合的にふわっとまとめた結果、あなの雰囲気が伝わります。
ここで。
「じゃあ、細かいところまで整える必要なくね?」と考えてしまうのは、危ないです。
というか、細かいところまで気を配るのが重要なのです。
それでも細部を整えることは重要。
何が優れているかは答えられない。でも「これ良い!」みたいなときありません??
ファーストインプレッションで「うわぁめっちゃいい!!」みたいな。
何かモノでも、アニメでも映画でも。
私はありますよ。
自分の感性をビシビシ刺激してくるもの。
見た瞬間にとりこにさせられてしまうもの。
ダイレクトに心にズキュンとくる感じですかね。
それって細かいところまで気を配られているからなんですよね。
深い重層的な物語には、実際にその話の中に出てこずとも細かいところまできちんと考えられ行き渡っていて・・・。ちゃんと細部に至るまで設定が考えられているものです。
それと同じです。
言葉では言い表せないけれど、良い。
あなたが細部まで整えれば、それが必ず相手に伝わります。見えないオーラみたいな感じで。
だからこそ、細部まで整えるのは大切です。
「パっと一瞬で決まるんだから、細かいところはスルーでいいっしょ!」じゃなくて、細かいところまで気を配るからそれが一瞬の”気”として相手に伝わるものなのです。
やはり、『神は細部に宿る』のです。
でも、”こだわりを持て”ということではない。
でもこれは、”細かすぎて伝わらないこだわりを持て”ということじゃないです。
〇〇産のウールとか、
老舗のデニムで・・・とかじゃない。
細かいところまで気を配るのは、全体のバランスとしてどうかということです。
上下のバランスは良いか?
ボトムのシルエットはどうか?
このアイテムとこのアイテムの組み合わせはどうか?
などということです。
こだわりを持つなと言ってるのではないです。
デニムが好きで色々集めてます。このディテールがこうだから・・・みたいなのは一旦置いとくべきだということです。それは自分を楽しませるためです。
自分の好きなところに異常にこだわりを見せれば、相手の印象が良くなるかと言ったらならないですよね。
「かっこいい!」「素敵!」というのは自分以外の人なのだから、もっと単純に見た目に大きく関わる部分を整えましょうということです。
それはシルエットだったり、色の組み合わせだったりします。
文字通り、整えるのです。
ひとつのアイテムやディテールに囚われるのではなく。