ハイ、来ました。
細胞レベルで腑に落ちると話題(自称)の着こなし解説シリーズ。
「ワシ、ベロアを自分の手足のように自在に組み合わせられるようになりたいんじゃ!」と願うジェントルメンたちに満を持して贈るコンテンツとなっております。
※コーディネート集を見に来た人は退出した方が身のためかもしれません。写真よりも圧倒的に文字の方が多いです。
今回はベロアの着こなし。
ベロアは個性の強い素材ですね。
キャラがめちゃくちゃ立っています。
それゆえに難しく感じる殿方は多いでしょう。
「ベロア買ったけどどうやって合わせたら良いのか分からないや・・・」
「ベロア欲しいけど着回しにくそう・・・」
「そもそもどうやって合わせたら・・・」
を解決していこうではありませんか!
もう着回しで「うーん」と頭を悩ませるのは終わりにしましょう!
ベロア×ナイロン=最高
ベロアとナイロンは最高の相性を誇ります。
なぜなら、ナイロンとベロアは素材的に反対の性質を持っているからです。
組み合わせにおいて「反対」は必ず意識すべき視点です。
「反対」はしばしば最高の組み合わせを生みます。
スイカと塩。
コーヒーとスイーツ。
空色と栗色。
そしてベロアとナイロンも。
ベロアとナイロンは反対の性質を持つからこそベストパートナーなのです。
じゃあ一体ベロアとナイロンは何が反対なのか??
先の例で言えば、
スイカと塩は「甘×辛」、
コーヒーとスイーツは「苦×甘」、
空色と栗色は補色で色彩論的に反対、です。
では、ベロアとナイロンはどんな要素が反対になっているのか??
それは「闇と光」です。
もう少し掘り下げていきましょうか。
その仕組みが分かってこそ、細胞レベルで腑に落ちますからね。
もう少し具体的に言うと「生地の見え方」が変わります。
ベロアの表面は長い毛が無数に集まっています。ちょんちょんちょん、と。それがやわらかでなめらかで、さすさすしてるとめちゃくちゃ気持ちいいですよね。(フワフワ大好き!)
そんな手を優しく労わってくれるベロア素材ですが、毛足が長いと毛の向きがひょいと変わります。やりませんでした??冬のフカフカの絨毯で毛並みの一部を変えていって文字を指で書く・・・ってやつ。私はよくやっていました。笑
つまりね・・・。
ベロアは生地がデコボコしちゃうんですよ。
デコボコっていうか不揃いな感じ。
整ってない感じ。
不揃いな表面はあちこちへ光を飛ばします。鏡がデコボコだったら自分の顔、まともに映りませんよね??グニャグニャに歪むハズ。ボールをあらぬ方向に大暴投するように光を反射するから。
光を反射するところ、光を吸収するところ。
その差が大きい。
そして両方を併せ持つのがベロアなんです。
だから暗い部分もあれば、光を反射して艶のある部分もあると。
ベロアは、単体でメリハリをつけられる。
すなわち表情がある、ということなんですね。
対してナイロン(ポリエステル)。
表面がツルツルですね。
光を反射しまくりです。
たとえ光を吸収する黒だとしても、真っ黒には見えず白けて見えますよね??
どうしても素材の特性上、白っぽく見えてしまう。
それがナイロンを始めとする、ツルツル化繊アイテムたち。
ちなみに。
ナイロン系アイテムの艶感が、なぜ目の細かいニットのそれに比べてチープに見えやすいのかと言うと、それは生地に深みが出ないからです。色が白けて見えてしまうから、なかなか高級感を出すのが難しい。
めちゃくちゃ感覚的な表現になりますが、
目の細かいニットは「つゆしみしみのおでん」のように芯まで色が染みているような色の出方なのに対して、ナイロン系は芯まで染みてないような色の出方なんですよね。
それでもスポーティなアイテムだけでなく、きれいめアイテムを作るときのマテリアルとして採用されることもたくさんあります。ならされたような均一の表面をしていますから。高級ナイロンもありますし。
すみません。
ちょい逸れました。
で。
誤解を恐れず言うと、
- ベロアは闇
- ナイロンは光
なのです。
反対のものを合わせるのは組み合わせの原則です。
だからこそベロアにはナイロン(ツルツル)なんですね。
色と照らし合わせて考えれば「明暗」です。
色の明るさに差がつくんです。
聞いたことありませんか??
「色合わせは明暗を意識しよう!」って。
例えばネイビーにベージュを合わせるとか。
この「ベロア×ナイロン」はちょっと次元が違うというか、上手くハマれば本当に深みのある明暗を作れてしまうんですよ。単に色を合わせるだけでない、奥行きのある着こなしになります。
だから本当にこの組み合わせはオススメです。
実際に合わせてみた。
実際にナイロンアイテムとベロアパンツを合わせてみました。
それがこちら。
ああ・・・好き・・♡
このナイロンとベロアという組み合わせ。
なんかもう本能に訴えかけてくるんですよね。
ドーパミン?がドバドバあふれ出してくるような。
「あっはぁ~♡」ってなる。
個人的にはボールのインパクトの瞬間に似てると思ってて。サッカーでもテニスでも野球でも何でもいいんですが、気持ちよくインパクトする感覚と何とも言えない手ごたえ、ありますよね。そんな感覚なんです。
きっとあなたも持っていると思うんですよね。
頭の中で「カチッ」と音が鳴って気持ちよくハマる「何か」を。
頭の中を検索してみて下さい。
きっとあります。
人間に最初から備わっている感覚ですから。
「×ナイロン」じゃなくても
ナイロンと合わせなくてもベロアの闇属性は活躍します。
そもそも「深く暗く濃い色みが出る」んで、色のメリハリは作りやすいんです。ネイビーでも下手な黒の綿パンより暗いですよ。
こんな風に中途半端な色味と合わせてもメリハリが「グッ」とつくんですよ。
今までで、
「メリハリつきづらいんだよなぁ」
って組み合わせがあれば、ベロアパンツ活躍のチャンスかもしれません。
あ。最後に。
ベロアパンツを選ぶときの注意なんですけど。
安価なものだと、このベロアの深みが出ないことがあります。
安いと糸を多く使えないんで、「闇」を生むほど毛足の長さを確保出来ないんですよ。それゆえにベロア生地内での「闇と光の共演」がうまくいかないんですね。「ちょっと暗さ足りないね」ってなる。となると、せっかくのベロアの良いトコが失われてしまいます。
選ぶ際はご参考に。
まとめ
- 「反対」はベストパートナーになりうる
- ベロアは「闇」、ナイロンは「光」で最高の相性
- ベロアの闇属性を利用して、奥行きのある着こなしを作ろう
って感じですかね。
あなたが今までぼんやりと思ってたことが言葉にされてしっくり来たのではないでしょうか??
ポカリスエットのように体にスーッと染み込んでいったのではないでしょうか??
これが「細胞レベル」です。
徹底的に追求するのが私のスタイルです。
深い次元で分かるとやっぱり着こなしが変わってきます。
具体的な細かいアクションで差が出るというか・・・。
ファッションは細かい「差」の積み重ねです。
「差別化」はおしゃれのキーワードですが、
目に見えるような大きな違いを出そうとすると、「個性的過ぎる」着こなしになりかねませんからね。
ベロアはちょっと主張がありますが、その特徴を理解し使いこなせればあなたとも良いパートナーシップを築いてくれるはずです。上手に着こなしちゃいましょう。
ベロアに関してはまだ言いたいこともあるので、一応第二弾も予定しています。
(好評ならば・・・)
あなたの着こなしがLv.1アップしたなら幸いです。