「怖い」
トリ―チャーコリンズ症候群の方を見たとき、最初に思った正直な感想です。
もし、自分がこの症状の方を街で見かけることがあれば、思わず凝視してしまうかもしれません。
そのくらいのインパクトがあります。
もし自分がこの顔で生まれていたら、どういう風に生きるのだろう?
というか、生きられるのだろうか。
家から出られるのだろうか。
社会生活をまともに送っていけない気がする。
今健全な体を持って生まれているからこそ、その症状を自分に当てはめることは、より強い恐怖を感じる。
なぜなら、人間は失うものに強い恐怖を感じるからですね。
得る喜びより、失う恐怖の方が勝る。
今の正常な体を失うのが怖い。
そういう「より強い恐怖を抱いている」ということを加味した上で考えてみる。
自分がその症状もって生まれてきたら、おそらく生きていけない。
『顔ニモマケズ』という本を読みました。
『夢をかなえるゾウ』、『LOVE理論』などを書いた水野敬也さんが著者です。
この本には顔に症状があり、「見た目」に問題を抱える9人のインタビューをもとに話が進んでいきます。
正直自分がこの症状だったら生きていけないと考えてしまいます。
でも、この本に登場する方は本当に強く生きているのです。
私よりもはるかに困難な道のりだったはずです。
それなのに、私よりも積極的に力強く社会に関わり生きている。
本当に凄いです。
自分の悩んでいることは、この方たちが悩んで来られたことに比べたら全然大したことない。
自分が勝負できる場はどこか?
自分を生かすには?
異性と付き合うには?
友達を作るには?
声をかけるには?
怖がられないようにするには?
症状はどうやったらよくなるのだろう?
この症状が無ければ、もっとうまくいくんじゃないか?
一緒に過ごす人も奇異な目で見られる。
働くには?
接客業はできるのか?
面接を乗り越えるには?
新しい環境でうまくやるには?
症状が無い人が羨ましい。
自分の見た目を受け入れてくれるのか?
本当に様々な葛藤があったはずです。
私たちが普段生活していれば、同じような悩みを持つこともあります。
でも、そのレベルが違う。
最初にグッと踏み込んでチャレンジするのもはるかに勇気がいるだろうし、
そのチャレンジした先で、凄く辛い思いもするだろうし。
でもだからこそ、刺さるんですね。
こういう人たちの言葉は。
悩んでいる深さは違くとも、悩んでいる事は同じことが多いから。。
相手に受け入れてもらえるかな、とか。
友達を作るには、とか。
面接でうまく売り込むには、とか。
自分が最大限生きる場はどこなのか、とか。
長い時間をかけて、悩み苦しみ、葛藤したからこそ刺さる。
乗り越えた悩みが大きいからこそ、その人たちの言葉は深く骨身に染みる。
その人たちに比べれば、自分が悩んでいることは何と小さいことか。
全然自分の人生、スーパーイージーだと感じた。
そんなお話でした。
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