自分がレベルアップするのは、自分がやすやすと出来ることをしているときではありません。「え、これ俺に出来るのかなぁ。」っていうぐらいのレベルのものを、もがいてもがいてグイッと自分の許容量をこじ開けたときに成長します。
筋肉は、自分の限界+αをしてこそ成長します。逆に言えば、いくら腹筋をしようとも、ちょいきついぐらいの段階で辞めてしまえば筋肉量は増えません。最近身をもって学びました。私事ですが、筋トレをこなすことが目標となり、自分の限界まで追い込んでいませんでした。
脂肪がぶよっとつき始めてきてようやく自覚しました。
だからこそ、全然エラそうに言える立場ではないのですが、限界まで自分を追い込み、苦しい思いをしないと成長することが出来ないと、今の自分・過去の経験を振り返ってみても思います。
私には、「このくらいでいいだろう。」と自分に甘い部分が少なからずあります。学生時代の部活は、特に走り込みにおいて、セーブしてこなしていました。疲れるし。きついし。「まあまあきついし、体力もつくっしょ。」みたいな感じで。甘々ですね。でもそれじゃせっかくやっても意味が無いんだと気づきました。
今、自分の手の届く範囲でやっていてはずっと同じだと。
自分の成長曲線は、上に上がることなく、平行線をたどるだけだと。
今日の話は、自分のセンス・着こなしレベル向上のため、たくさん難しいアイテムに挑戦しようぜ!ってことです。今、あなたが現状に満足しているのなら、読む必要はありません。でも、「センスを身につけたい!」「着こなしを洗練させたい!」のであれば、積極的にチャレンジしてほしいと思います。
自分の身の丈に合わないことをやるのは大変ですが、得るものは大きいです。「たかが洋服で・・・」でと思わるかもしれませんが、もし1ミリでも「かっこよくなりたい」「洗練させたい」という気持ちがあるのであれば決して無駄にはならないはずです。
自分のコンフォートゾーン・安全ゾーンから出ないのは居心地が良いものですが、その先の景色を見せてはくれません。「かっこよくなりたい」という気持ちを抱えていても、いつまでも今の状況から前に進むことは無いからです。ただ、「かっこよくなりたい」という気持ちが心に縫い付けられて残るだけです。ただ時間が過ぎてゆくだけです。
あなたには悶々とした気持ちを抱えて、時間を浪費して欲しくはないのです。
私の筋トレの例にもあったように、人はいつの間にか限界を超えることを辞めます。チャレンジしなくなるのです。マンネリ化し、目的が忘れ去られるのです。自分の出来る範囲でやろうとするのです。それが楽だから。人間は弱い生き物なのです。あなたは違うかもしれませんが、少なくとも私はそうです。
新しいことに挑戦するときは、誰しもその分野に関して無知です。だから、自分の知らない世界を知るために、必至で練習したり知識を吸収しようとします。でもだんだんと分かってくると、手を抜き始めます。頑張らなくなります。「俺はもうまあまあ出来るし、こんなもんでいいか。」と。
慣れてくると、自分の基準が出来てきます。そして、その基準は上達後も更新されず、そのままなのです。古い基準のままだから、頑張らなくなるのです。上達するにつれて、学び始めの頃よりも上達スピードは遅くなるからです。やってもやってもなかなか上達しなかったら「今のままでいいか。」という気持ちになるのも頷けます。
チャレンジ精神。
私は、チャレンジ精神とは、限界を超え続けようとする気持ちのことを言うのだと思います。
ファッションにおいて、チャレンジ精神を持つとは、難易度の高いアイテムに挑戦してみることだと思います。それがあなたの力を鍛えてくれます。センスとか、着こなし力を高めてくれるものです。
着こなすのが難しいジャケットをどう着こなすか?
以前、先輩からジャケットをいただきました。
でも、着こなすのが難しくて持て余していたんですよね。「え?どうやって着こなせばいいの?」って。その当時の自分には難易度が高すぎました。納得する着こなしが全く出来無かったのです。
それがこちらのジャケット。
『kemit』というブランドで、色は明るいブラウンで、生地はクシュクシュとシワ感をあえてつけたものです。膨張色かつ柔らかい生地だから羽織るだけでシャキッとするどころか、下手したらだらしなくなります。シワ感もそれを後押しします。リネン混紡のジャケットだから使えるアイテムは『夏』と、限られてきます。
色味・生地感・シルエット、ちょっと気を抜くとだらしない印象になってしまうのです。
このジャケットがウールなら、スラックス・シャツ・革靴・ネクタイと、他を思いっきりドレスにしてジャケットのシワ感で外すということも出来るでしょうが・・・夏なので。(とは言いつつも、普段着でそんな着こなしはしたくないですけどね。)
それをカジュアルで再現するために、他をダークトーンにするという選択肢もあります。黒のスラックスにネイビーのインナーとか。ジャケット以外を『黒子』にして、ジャケットを思いっきり主役にするということですね。色味とシワ感で思いっきり落差をつけるんです。
そうすることで、『スーツスタイルにあえてシワ感のあるジャケット着て外す』というのに近づけるんですね。思いっきりメリハリをつけるという意味で。それはそれでアリだとは思うんですけど、なんか満足できなかったんですよね。
思いっきりメリハリをつけるんじゃなくて、そのジャケットを着こなしに馴染ませながら着たかったんです。
そうやって考え着いたのがコレ。
『リラックス』と『リゾート』をイメージしながら組んでみたんです。手持ちのアイテムの中ではうまくまとまったんじゃないかと思います。個人的に、好きです。笑
扱いにくいジャケットを、『外し』や『落差要員』として使うのではなく、パーツとしてはまった感じがあります。「はぁ??クソダセェんだけど。」と言われてしまえば何も言い返すことは出来ないですけど。笑
このジャケットをどう着こなそうかと考えると、色々な学びがありました。
見た目がみすぼらしくならないように、インナーはTシャツにしようともちょっと厚手のものにしようとか、オフホワイトのパンツに茶のダンスシューズを合わせてもうちょっとリゾート感を押し出してみようとか。幅がグイッと広がった感はありますね。
今まで触れたことの無いアイテム、特に着こなすのが難しいアイテムをウンウンと頭をひねることで『着こなし力』はついてくるものだと思います。
ある本の冒頭で、『ファッションは大人の知的遊戯だ』と書かれていましたが、まさにその通りだと思いますね。何が合うか、何が合わないか自分の知識と感覚を照らし合わせて、自分だけの解を求めていくパズルのようなものだと改めて感じました。