どうも。
外見クリエイターのMr.Tです。
初めに言っておきますが、この4つの要素というのはよくある「ジャストサイズを選ぶ」とか具体的な手段ではありません。ですから、具体的な答えを求めていた方は読まない方がいいかもしれません。
時間を無駄にする可能性がありますから。
私があなたに提供したいのは、もっと根本的な考え方です。
「おしゃれ」とはどういうことかを深く掘り下げて明らかにした要素を伝えたいのです。
私は物事の本質を探っていくことが好きです。一見全く関係の無いもの同士の共通点を浮き彫りにし、つながりを見つけることが大好きです。極上のアハ体験みたいな感じで、快感です。
まぁバカですから時間はかかるんですけど。
そんなバカな私がファッションという非常に感覚的な分野とされている領域に踏み込んで共通点を見つけることは困難を極めました。「何でこんなことに手を出してしまったんだろう・・。」何度後悔したか分かりません。でも、既に多くの時間を投下してしまった後で引くに引けず考え続けてきました。
そして気付いたら2年半もの月日が流れていました。
その結晶であるおしゃれに必要な4つの根本的な考え方をあなたに伝えたいと思います。
「おしゃれ」って何なのか。
人が何を感じ、どういう風に判断して「おしゃれ!」「良い!」って思うのか。
このファッションという曖昧な領域にどうにかして根拠を求めた結果です。
おしゃれは自由です。
それにそもそも「完璧」や「絶対」はありません。
この世の真理は「無常」であることくらいだと私は思います。
だから、結局はあなたが何を信じ行動を起こせるかです。
100%信じコミットしていくことが一番重要です。
もしあなたがおしゃれにおいて信じる対象を探していたのなら、力になることが出来るかもしれません。
まとまり
これはファッションを語る上で絶対に外せない要素です。
まずそもそもこれがなければファッションは成り立ちません。
統一性とも言えるし、調和とも言ってもいいです。
そもそも人間は基本、まとめたがりです。
人間を人間足らしめているものが「言語」です。
そして、その人間が他の動物との決定的な違いを作っているのが「抽象化」という能力です。
水中生活で、エラ呼吸をして、鱗で覆われていて・・・・という共通項を抜き出してまとめることで魚と呼ぶことができます。魚と聞いて陸上の生物を思い浮かべる人はいないでしょう。
こんな高度な芸当、動物には出来ません。
じゃあなぜ抽象化するのか。
それはコミュニケーションを簡単且つ円滑にするからです。
魚と言う概念が無ければ、魚屋さんと表現できませんから「アジ、マグロ、サンマ、サケ、ブリ、ホッケ・・・・屋さん」と言わないといけません。めちゃめちゃめんどくさいですよね。疲れるし。
抽象化することで、労力を節約しながらコミュニケーションをとることが出来るのです。
人間は怠惰な生き物なので、楽をしたいのです。
でも、楽をしたい生き物でなければ、ここまで高度な文明を発達させることは無理だったでしょう。
実際に今も、どんどんどんどん生活が楽になっていますよね。
楽をするためにまとめるのです。
そう考えると、まとめることにポジティブな印象を抱くのは自然だと思いませんか??
人間は怠惰で楽をしたい生き物なんですから。
もうちょっとまとめることを掘り下げましょう。
日本料理や中華料理など、その国の伝統的料理をグルーピングしてそれぞれ分類しています。旅館の和食コースで焼き魚の横に麻婆豆腐を持って来られたら、それはもうコースとして成り立ってないですよね?違和感しか感じません。
和食は、全て「和」で統一されてこそまとまりを持ち、コース料理として成り立ちます。
他のカテゴリのものをもってこられたらぶち壊しになるのです。
同じカテゴリに分類されるということは、ということは共通項があるのです。
分類する方法は様々です。
色々な角度から分類することが出来ます。
国、地域、大衆、魚料理、肉料理・・・
など、場所や食べる人の属性、海や陸、同じ種類の食べ物毎のように見方を変えれば方向性はたくさんあります。
考え方としてはこんな感じです。
言ってしまえば、共通点を見つければいいということです。
その共通の要素が強いほど、統一性が生まれます。
ただ注意が必要なのは、ファッションは自由であることです。
基本姿勢として、自由に組み合わせていい。
どんな組み合わせをしようとも、誰かに咎められることは無いのですから。
(あまりに変な格好は職質の頻度が高まるでしょうけど。)
基本ルールは無いのです。
でも、何も考えてない組み合わせは人から「good!」の評価はもらえません。
じゃあどうすればいいでしょう?
人はまとめたがる性質を持ちますから、それに合わせて着こなしにまとまりを作ればいいのです。
実はまとまりの出し方には2つあります。
・物理的な要素を合わせる。
・イメージを利用する。
物理的な要素は、目に見える要素です。
色とか素材、シルエットの話です。
同色同素材のセットアップとかを持って来れば簡単にまとまりは出ます。だって同じ色で同じ素材を使っているんですから。似ているどころではなく、「同じ」なんですから。
同じ要素を持っていれば持っているほど、お互いに似てくる。
似てくるということはまとまりが生まれるということです。
イメージを利用するというのは、常識とか固定観念を考えることに近いです。
だから、日本に来たことが無い外国人に、日本独特の「空気を察知して言葉を介さず行間を読む文化」を教えても理解できないように、ストリートファッション(服をルーズに着る、スラム生まれのファッション)を知らない人にストリート系の服装を見せても理解できません。だらしないと言われるだけです。
人は、自分の持つ知識の中でしか判断を下すことが出来ないからです。
ということはイメージを意識するとき、いかに相手の頭の中に入り込めるかが重要なのです。
例えば、多くの人がきれいめファッションが好きなのは、そんなにファッションについて関心が無いからです。なぜなら、きれいめファッションは分かりやすいからです。あまり洋服に関心が無くても理解できます。
逆にコレクションに登場するような奇抜な服装はほとんどの人が受け入れられません。その奇抜な服装に関する知識が自分の頭の中の引き出しには入ってないからです。
自分の頭の中でイメージできる服装(多くの人が街で着ている服装)は、全く異なる系統の服装(ex/スーツのボトムとミリタリーであるモッズコート)を合わせていたとしても「そういうもの」として飲み込みます。
その時代では斬新な手法だったとしても、時間が経過していくごとにその斬新な手法は過去のものとしてアーカイブされ、いつの間にか基本のひとつになっていく過程に似ています。
常識を壊して新たな道を切り拓いたとしても、いつの間にかそれも常識になっている。
だから、自分の着こなしにテーマを設定することは、まとまりを出したいときには有効です。
ストリートは反骨心みたいなのが服に表れてますから、イメージだけじゃなくて物理的にも着こなしにまとまりを生んでいるんですね。保守的なトラディショナルな服装をしようとすれば「堅実」とか「優等生」のイメージが漂います。
そういう意味で、服の歴史とかカルチャーを知ることは意味があるんですね。
着こなしに、カルチャーとか歴史が自然と反映され、まとまりを生むからです。
物理的な要素とイメージ、この二つを意識することがまとまりを作る上で大切です。
メリハリ
どうしてもまとまりだけだと着こなしが単調になったり、つまらなくなることがあります。
同系統のもので固めているので変化が出ないんですね。
※ちょっとややこしいんですけど、
まとまりはイメージも含んでいるので、必ずしも着こなしがつまらなくなるわけじゃないんですね。
さっきも言いましたが、全く異なる系統のものを合わせても、それも織り込み済みで「そういうものだ」と認識してしまうからです。
だからこそ、「異端者」を着こなしに取り入れることによって着こなしに刺激や変化を出すことが必要です。
変化が無いのは人間を退屈させます。
ロボットのような抑揚のない単調な話し方、映画の長い会話シーン、変わり映えの無い日常、永遠と続く田園風景(私は好きですが)、メトロノーム・・・などなど。
人は刺激を、変化求めます。
大統領の抑揚のある演説、派手なアクションシーンなど。
人間を退屈させないために刺激の小さい部分と刺激の大きい部分を織り交ぜてコントラストを作り出すのです。
退屈させた瞬間、人は離れていきます。
予定調和をどこかで崩すような感覚や、大きな変化を生む感覚が必要になるのです。
そういう予定調和を裏切ることはあらゆる分野でなされていることです。
写真の構図、デザイン、映画、漫画、小説、ファッションなどなど。
また、メリハリをつけることで認知的な分かりやすさを作り出すことが出来ます。
反対の性質のものを組み合わせる必要があるからです。
すると、お互いを引き立たせ合い両者の存在感を強くします。
人間は、「分かりやすいと内容に関わらず、ポジティブな評価を与えがち」というのが心理学で示されています。まだ、仮説段階ですが、「単純接触効果」の最も大きな要因としてこの仮説が持ち出されています。
単純接触効果は、結構有名なのであなたも知っているかもしれません。
繰り返し接触するだけで、好意や魅力が増加するっていうアレです。
外見が魅力的じゃなくても大丈夫だよ。時間さえかければ。みたいに発言している人がいますがその根拠にされるやつです。
なぜこの効果が起こるのかと言うと、繰り返し接触すればするほど、「このパターンね。」みたいな感じで認知的な労力を費やさなくなるためです。
人はスムーズに事が運んでいると、「楽勝♡」と言ってでポジティブな感情を抱いても、不愉快になることが無いのと同じです。自分の予想に反して、スムーズに物事が進み過ぎたときには不安になるかもしれませんけど。
だからこそ、メリハリをつけることは大切です。
色、シルエット、素材、アイテム、イメージ・・・・・。
本当に様々な手段でメリハリをつけることを考えることが出来ます。
コツは、
反対(ギャップ)を意識すること。
輪郭をハッキリさせること。
逆を言えばメリハリをつけることで、
お互いを際立たせること。
驚き(引っかかり)をもたせること。
が出来るわけです。
うまくやれば、着こなしに認知的な分かりやすさと起伏を盛り込むことが出来ます。
すなわち、人にウケる着こなしに出来るってことです。
立体感
私たちは現実世界に生きています。
3次元の世界です。
ペーパーマリオのようなペラペラの紙の上の世界じゃありません。
2次元の世界じゃありません。
目に映るものすべてが立体感があり、奥行きがあります。
ということは、これが基準になるわけです。
普段から目にしてる世界が基準になるのは当然です。
だからこそ着こなしも3Dにする必要があります。
平面的な着こなしよりも良く見えます。
自分の基準に近いですから。
人間の基準に近づける試みはあなたの身近なところでも、もちろんなされています。
映像の発展を見てみると分かりやすいでしょう。
初めはモノクロのテレビ。
登場した当初は画期的だったでしょう。
でも、間もなくしてカラーテレビが出ます。
普段私たちが見ている世界は色のついた世界ですから、一歩前進。
その後はさらに画質が良くなり、大画面テレビに外の景色を映し、あたかも窓であるように見せかけた隕石地球衝突ドッキリが出来るほどに進歩しました。
そして3Dテレビ。
映画館でも『アバター』を皮切りに3D映画が当たり前のように上映されています。
最近では4Dも上映されていますね。
映像での進歩はありませんが、揺れ・水・風など、より人間の五感を刺激する体感型アトラクションのような形になっています。
そして2017年、VRが本格的に登場し、360°映像が地続きになっており、まるでその世界の住人のような新しい没入体験を提供しています。
このように現実世界の感覚に近づけるように進歩しています。
こう考えると、着こなしも平面的ではなく立体感のある着こなしにするべきです。
その方が人から評価される着こなしにすることが出来ます。
こういう人間の感覚は結構共通してて、目に見えないものに対しても立体感を求めます。
平面的なものを避ける傾向があります。
立体感のある音、立体感のあるデザイン、立体感のある・・・。
「立体感がある」と言うとポジティブな意味で使われることが多いです。
このことからも立体感の有用性が分かります。
ですので、「立体感」を出すことを意識してみて下さい。
大人っぽさ
スタイルアップと言い換えてもいいですね。
スタイルアップは、より成熟した体に見せる方法でもありますから。
どうしてもメンズファッションには、大人っぽく見せることが必要です。
「大人」っていうのは、それだけでポジティブに解釈されやすい要素です。
「大人っぽい」
「子供っぽい」
世間一般の感覚で言うと、「大人っぽい」と言われた方が嬉しいのではないでしょうか?
(私は少年の心を忘れてないという意味で解釈するので、子供っぽいと言われても喜びます。でも服装が子供っぽいと言われるのは嫌です。)
だから、服装においても「大人っぽく」することは意識すべきポイントです。
それが全てではないですが、自分のものさしのひとつとして持っておくと役立ちます。
特に、「上下のバランスを整える意味としてスタイルアップを効果的に使う」ことが非常に重要になってきます。
スタイルが悪いことの最大のデメリットは、上下のバランスがおかしくなってしまい、かっこよく見えづらいということです。つまり、縦の長さが足りないため服装が野暮ったく見えるのです。
だからこその大人っぽさ、
だからこそのスタイルアップです。
終わりに
このなかでも特に重要なのが「まとまり」と「メリハリ」です。
この二つの概念を理解することがおしゃれにおいてとても重要です。
「立体感」と「大人っぽさ(スタイルアップ)」もちろん大切ですが、ちょこっとテクニック的な要素があります。
より本質的なのは、「まとまり」と「メリハリ」だと思うわけです。
最終的には全部マスターしてくださいね。
結構ストイックな姿勢ですけど。笑
でも、ただ単に「Iラインに整えて下さい」と言われてその通りに実践するより、思考力やセンスの基礎OSの強化につながると思うんです。
表面的な理解じゃなくて、デザインなどの他の領域にも紐づけて考えていくというのが出来ればあなた自身の価値が上がると考えています。
ただでさえファッションは表面的な奴だと偏見を持たれやすいですからね。笑
私もまだまだ道半ばなので、一緒に頭ひねりながら一歩ずつ階段を登っていきましょう!