ファッションでも「赤」はよく使われる色のひとつです。
着こなしはいつの時代もシックになり過ぎないという法則が存在しているファッションにおいて、「赤」はひとつ刺激剤になりえます。地味さを一気に払拭する力を持っているのです。
メンズファッションは大人っぽさが求められる場面が多いですから、必然的に暗い色が多くなります。あまりに明るい色は印象が軽くなってしまい、なかなか使うことが出来ません。
だからこそ、部分的に色を使う場合には、明るい色を使うことが多くなるわけです。
黒や紺、ダークグレーにダークブラウンなどスーツは暗い色ばかりですが、ネクタイの色味はかなりバリエーションが豊かです。発色のいいシルクを使い、派手な色味を合わせても問題ありません。むしろ、派手な色味を選んだほうがスーツとネクタイそれぞれを引き立て合うこともあります。
ということは、メンズファッションにおける原色の使い方は、部分的に使うのがセオリーでしょう。基本と言っても過言ではありません。どうしても暗い色が大きな面積を占めがちですから、当然と言えば当然ですね。
これを踏まえた上で「赤」を解説します。
「赤」は一番目立つ色
赤は有彩色において一番目立つ色です。
有彩色は白・黒・グレーなどモノトーン以外の全ての「色み」を持つ色のことです。
黒白グレー意外で、赤が一番目立つ色なのです。
「一番」目立つからこそ、赤はファッションにおいても良く使われる色なのです。
一番の強みがある人というのは、すごい欠点があろうと使えるものです。反対に全ての能力が平均というのは、無難に使えそうに見えて、実際使いどころは少ないものです。
守備力0、攻撃力2300の「ゴブリン突撃部隊」をデッキに入れる人は多くても、守備力1200、攻撃力1400の「砦を守る翼竜」をデッキに入れる人が少ないのと同じです。攻撃力、守備力の合計が翼竜の方が多くとも。(遊戯王カードです。笑)
試合終盤、ゴールが欲しい時、あなたがサッカーの指揮官や監督なら、決して能力値が平均の選手は使わないでしょう。それよりも能力値が著しく偏った守備力0だけど得点力のある選手を使いたいはずです。
無難ばかり選んでいると無難な結果しか呼び込みません。
これらの話と同じように、卓越したセンスをアピールしたいなら「赤」をうまく使うことが鍵になります。
「赤」をうまく使うには?
有彩色の中で一番目立つ色と言ってもそれは個別に見た場合の話です。色が使われるのは、他の色と合わせて使われますし、あなたがこの世界で生きている以上、あなたの視界には無数の色が入りこんできます。つまり、何と何を比較してより目立つのか?目立たないのか?を考えなければいけないということです。
例えば、クラスに一人はいる自己主張の強い盛り上げ役は目立ちますね。逆に全然しゃべらない読書ばかりしている大人しい子は目立たないですよね。
もし30人中自己主張の強い盛り上げ役が29人、喋らない大人しい子が1人だとしたら、いつもだったら目立たないはずが、このクラスでは異質な存在としてハイライトされるはずです。
なぜなら、周りと違うからです。
真反対だからです。
このように配色を考えるときは、色と色の特性を考え比較しながら組み合わせることが必要になるのです。この話は洋服の組み合わせにも言える話なので、頭の片隅にでも置いといてください。
じゃあ赤はどのように使えばいいのでしょうか?
実はそんなに難しく考える必要はありません。
赤は一番だからです。
一番だと比較するのが簡単です。
使いどころが簡単なのです。
まずは先ほども言ったように、暗い色の中に少ない面積で差し込むのが失敗の無い使い方でしょう。暗い色の中に明るく目立つ赤を差し込むことはお互いを引き立たせるのです。お互いの存在感を際立たせるのです。
最初はこれだけで十分です。
っていうか、ほとんどの人がこれだけで赤の知識は十分なはず。
もっとハイレベルな組み合わせをしたいというなら別だけど、ハイレベルな組み合わせがこの赤のセオリーよりかっこよくなるとは限らないですしね。
「赤」をさらにセンス良く使うには?
必殺技を授けます。
・暗い色のベースの着こなしに、原色を本当に少ない面積で使う。
これだけです。
これでマジで「センス良い」配色が完成します。
もうちょっとアドバイスるなら、全身を真っ黒にするんじゃなくて、ネイビーやダークグリーン、ダークブラウンを使いながら暗いトーン中心の着こなしにすること。あと、「赤」はバーガンディとか原色の赤に黒を足したような色味じゃダメ。原色の赤を使うこと。しかも本当にちょびっと。
この必殺技、秘密にしておいてくださいね。