いやーかっこいいっすね。
私はやらないし出来ない格好ですけど、こういう着こなしは学びが多いです。
この着こなしはどこがかっこいいのか。
紐解いていきたいと思います。
きっと、
今まで言葉にして語られなかった世界を覗くことが出来ると思いますよ。
ポイントは、
・雰囲気
・シルエット
・重心の引き上げ
・ノイズ
です。
じゃあ行ってみましょう!!
雰囲気
アイテムの系統をそろえると雰囲気が出ます。
よく、「おしゃれな男子の特徴は?」っていうアンケートをやってみると、女子が「雰囲気がある人!」って答えます。
「え?雰囲気がある人って?」ってインタビュアーが聞いてみると、
「菅田将暉君みたいなぁ感じかなぁ?」とか、
「オーラがある人」とか、
かなり抽象的な答えが返ってくるんですね。
雰囲気っていう言葉自体が、わたあめみたいにフワフワした言葉なので仕方ないですけど。
「おいおい、超曖昧じゃねぇか。
そんなん聞いたところでどうしようもないわ。」
って思いますよね。
私もつい最近までそう思っていました。
でも、『雰囲気』っていうのは、ある程度出すことが出来ます。
作ることが出来ます。
同じアイテムで統一するんです。
統一させればさせるほど、そのテイストを強く帯びていくんです。
集中させるか。
分散させるか。
私服って自由なんで別に何を組み合わせていいんですよ。
好きなように組み合わせていい。
でも当然、中華料理、フランス料理、和食みたいにテイストをひとつに絞った方が統一感は出ますよね。
食べ放題じゃ、統一感なんてありゃしません。
食べ放題の中でひとつのテイストに絞れる人間が雰囲気をまとえます。
カオスの中でどれだけ、共通点を服の中に散りばめられるかですよ。
画像のnesaiさんも全身を『アメカジ』テイストで固めているからこそです。
アメカジの空気感をまとうことが出来ているのです。雰囲気が生まれているのです。
よかったら、『雰囲気イケメンの作り方』も参考にして下さい。
シルエット
シルエットの作り方も非常にうまいですね。
AラインとIラインの間ぐらいのシルエットです。
そのため、シルエットもすごく自然に見えるし、体型もきれいに見えます。(Aラインはちょっと不自然に見えることがあります。)
このAラインとIラインのいいとこどりのシルエットは作るのがすごく難しいんですが、上手にまとまってます。
私もこのシルエットを目指して作ろうとします。
でも、細かい微調整が必要だし、何よりちょうどいいサイズ感のアイテムが無かったりするから作れないことは多いですね。
なかなかできないです。
おそらく、かなり細身の体型だと思います。それもシルエット作りに貢献していますね。
私だったら、デニムでこのシルエットは作れないと思います。
私は脚が短いですし、お尻・太もも周りがデカいので、デニムだと程よいゆるさが出ないんですよ。
このシルエットを作りたいなら、程よいゆとりがボトムに必要です。
なぜなら、脚の形を出さない必要があるからです。
脚の形が出ると、そこに意識がいってしまいシルエットを邪魔してしまうんですね。
シルエットとは、服×服ですから。
冒頭の画像、見て下さい。
脚がどんな形か分からなくないですか?
隠して、スタイルを良く見せるのです。
また、上半身もボトムに合わせて非常にコンパクトに抑えています。
Aラインには、上半身は小さくっていうのが鉄則ですよね。
あと、腕を組むのも上半身を小さく見せるポイントですよ。(小声)
キュッと面積が小さくなりますから。
革靴が無かったら、結構野暮ったくなっていたはずです。
重心の引き上げ
視線を上に上に誘導させられちゃいますよね。
髪型、ハット、メガネなどなど、視線を集めそうなものを上に持ってきて、重心を引き上げています。
あと・・・・手。笑
下に重心を下げ過ぎると、野暮ったく見えちゃうんで・・・。
特に、ハットの力はデカいです。
ハットが無かったら、長髪の影響で、やや下重心になりそうなところをグッと上に引き上げている。それによって、髪型も上に重心を引き上げるポイントとして機能していますね。
スタイルを良く見せたいなら、視線を上に誘導しましょう。
ノイズ
ノイズは足し算です。
情報が多くなればなるほど、ノイズは増えていきます。
使い方を誤ると、全く垢抜けない野暮ったい着こなしになってしまいます。
色落ちデニム、さらにストレートシルエットは非常に難しいんですね。本当にムズイです。初心者が手を出していいものではありません。
だから、初心者のうちはノイズは出来るだけ少なくする方向でやった方がいいんです。その方が野暮ったくならないから。スタイリッシュになるから。
ノイズっていうのは、絵を描くときに『シャッシャッシャ』と何重にも線を重ねるようなものです。
ひと筆書きみたいに一本線で描いた絵は下手に見えるのに、線を何回も重ねるだけで何となくうまく見える。あの現象です。
早い話が、
ごまかせるんです。
一本線だとごまかしがきかないですよね。
小中学生の頃は(今もですけど)、構造が分からないところは、線を何本も書いてよくごまかしてましたね。
グチャグチャっとさせて。それっぽく見せて。
この着こなしって、足し算か引き算かって言われたら足し算なんですよ。
ハットやメガネ、腰につけたバンダナとか。
表情のよく分かる色落ちデニムに個性的な髪型。
それにアクセサリ。
それでもメインのアイテムを大人しめにしてるのでうるさくならない。
絶妙なバランスです。
何度も言うようですが、非常にバランスが難しいため初心者は手を出さない方がいいです。
最初は、ノイズは少ないところから。
徐々にノイズを意識するのが最短ルートです。
引き算から足し算へ。です。
以上4つの観点から、分析してきました。
抜群の雰囲気をまとっているし、シルエットは非常にバランスがいい。スタイルをきれいに見せるための工夫もされているし、ノイズを使ってごまかしも効いてる。
だから、おしゃれに見えるんです。
普段見えない世界が見えるように、言語化してみました。
おそらく、あなたが今まで見たことも聞いたことも無い世界だったのではないでしょうか。
でも、これを知ったからと言ってすぐにできるわけじゃないんですよね。スポーツなど身体感覚が特に大切なものよりは、考え方の段階で大きく差がつくのは事実です。
結局は自分の感覚を育てなきゃダメだということです。
出来るようになりません。
アウトプットしましょう。
自分の体を見つめて、鏡の前であーでもない、こーでもないと組み合わせましょう。
PS
アメカジもかっこいいですね。
PPS
雰囲気についてですが、何も服の系統だけが統一感を出す手段じゃないです。
ダメージ感とか、男らしい感じとか、洗練された感じとか。
使える要素は無数にあります。
だからこそ、奥が深いのです。