それは、服装が均質化されてしまうからです。
野球部がグラウンドをとんぼでサーっとならすかの如く、服装がならされるからです。ここに手のひらサイズのちょっと大きめの石(石男くん)を放り投げます。それはすぐにばれるでしょう。ビロードのように滑らかなグラウンドの上では目立ってしょうがないからです。それは異質なのです。
でも、バッチコーイと散々練習した後のゴツゴツしたグラウンドでは発見が遅れます。地面はスライディング、スパイクの跡などで所々えぐられ、盛り上がっています。その凹凸が隠れ蓑となり、図体がデカくても石男くんは目立ちにくいのです。
そうです。
オールブラックは、グラウンドを均す行為なのです。顔を目立たせるのです。そもそも人体の中で顔は異質です。目立つことは避けられない。それなのに、顔を目立たせる服装をしては顔がデカく見えるに決まっています。
もっと正確に言うと。
顔がデカく見えるというか、相手に顔の大きさと体の大きさを比べやすくさせているのです。相手はKimi(の顔)ni mu chuです。相手の視線は『全然頭から離れない』のです。
ただでさえ視線を集めやすい異質な存在、顔。
ここから注意を逸らすことが顔をデカく見せない(ストレートに「顔vs体」の構図を作らせない)ために必要なのです。
相手の視線を邪魔する。
こういう考え方が必要です。
え?邪魔するにはどうすればいいのか?って??
難しくすればいいだけです。複雑にすればいいんです。判断に時間をかけさせればいい。視線を散らせればいい。
『シンプル』から離れれば離れるほど、頭の大きさから意識が離れます。戸愚呂兄のフルパワーみたいな。完全体フリーザみたいになるほど、認知は簡単になります。
ただ注意が必要なのは、複雑にし過ぎると魅力的な服装じゃなくなってしまう危険があるということ。なぜなら、魅力的なファッションのひとつの要素は”分かりやすさ”だからです。
コレクションファッションが一般の人に受け入れられないのは、分かりにくいからです。「常識を超越しすぎている」「未来過ぎる」というのも、知らないからですよね?つまり”分からない”ということなのです。
オールブラックみたいなあまりに均質化されたシンプル過ぎる服装だと顔がデカく見える。
でも理解に苦しむような複雑すぎる服装では、魅力的な服装から離れてしまう・・・。
この矛盾のなかにあなただけの顔をデカく見せない着こなしがあるのかもしれません。シンプルさと複雑さを往復運動しながら、自分だけのバランスを見つけてみて下さい。
「いや、俺を頭デカいって決めつけるな!!」
って話ですよね。笑
失礼しました。
PS
ダメ!ゼッタイ!
って言ってるわけじゃないですよ。